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たまに喧嘩したっていいじゃない(マクシーム×ヴィクトール)

 相互記念に『雨のち曇り』あつや様よりいただきました。

 マクヴィです。

 「口喧嘩しながらも最後はラブラブな二人」でリクエストさせて頂きましたw
 二人の喧嘩っぷりに萌え萌えです(←変態め

 何気にアラボズも出てます!




 続きよりどうぞ。




「・・・アラムさん、」
「なんだ。」
「止めた方が良いっすかね・・・」
「やめとけ。」
「でも、」
「ボズレフ。」
「はい?」
「良いことわざを教えてやろう。」
「はぁ・・・」
「“夫婦喧嘩は犬も食わない”」
「・・・。」
「と言うことで、本当の意味で俺たちは関係ない。手出しもする必要はない。」
「・・・。」
「分かったか?」
「・・・はい。(でも夫婦じゃない気がするんだけどなぁ・・・)」




現在、マクシームとヴィクトールがマジ喧嘩中です。
非常に危険ですので、近隣の方々は速やかに避難しましょう。



「たまに喧嘩したっていいじゃない」




ああ、確か事の原因は、コーヒーに砂糖が必要か不必要か、そんな話だったはずだ。
誰がどう見ても、幼すぎる話が事の原因だ。それでも二人にとっては重要なことだったのだ。
その内二人して引くに引けなくなったのだろう。
カチンと来るような一言を浴びせ、それに反撃するようにまたカチンと来る一言を。
そんなことを繰り返していたら、どんどん互いの罵り合いになっていったのだ。
小学校中学年くらいまではよくあるパターンだ。たまに例外で中学くらいまで引きずるケースもある。
ただ残念なのが、そんな低レベルな言い争いをしているのが、立派な成人男性だということだ。

「ウゼェんだよ日頃から。」
「お前の無鉄砲さのほうが重大だ馬鹿。」
「はあ?どこが無鉄砲だ。少なくともテメェよりはまともな考えだ。」
「ほう、俺のどこがまともではないと?」
「昨日の昼休憩。」
「?」
「三日前の仕事帰り。」
「・・・?」
「一週間前の休みの日・・・・!」
「・・・。・・・・・!(←気付いた)」
「腰触ってきたりいきなり抱きついてきたり・・・・!」
「・・・・・・だから?(←開き直る)」
「だからじゃねぇよセクハラだっつーの・・!!!」
「フッ・・・それに若干顔を赤くしているのは誰だか。」
「そもそもはテメェが悪いんだよ!」


それはポメラニアンが懸命に吠え掛かる威嚇行為を連想させた。
本人は真面目に激怒していても、周りからすれば何のことは無い、そんな光景だ。
だが何度も言うが、ヴィクトール本人は至って本気に怒っている。
今にも怒筋が浮かび上がりそうだ。漫画みたいに。
その様子に、マクシームはむしろ、それがどうした。と言う様な開き直りっぷりだ。
眉間に皺を寄せつつも、ソファーで足を組み、偉そうにしているではないか。
そんな堂々と開き直られても・・・とアラムとボズレフは心の中で突っ込む。



「あんだけ言い合ってても、手は上げないんですね、お互い。」
「それが最低限の大人のマナーだ。」
「そうなんですか?」
「あの二人が武力行使に出ると、軍舎が半壊するからな。」
「・・・そうですね。」
「ま、そこが分かってるだけでもマシだろ。」


どんなに腹が立とうと、言葉が乱暴になろうと、武力や暴力はいけない。
故に二人はヒートアップしつつも、向かい合いのソファーの上にいるのだ。
偉い。どんなに負のオーラが出ていようと、今にも殺しそうな眼光でも、手を上げないのは偉い。
とは言え、いつどちらかが本気でキレるか分からないので、アラムとボズレフは少し離れて見守っている。
早々に避難場所として採用されたテーブルに、避難と同時に持ってきたコーヒーを置き。
まあ見守ってると言うより、被害を最小限にしたいとも言える。他の部下たちにとばっちりが行きかねない。


「大体、俺がそういう行動をするのはお前のせいだ。」
「あぁ?意味が分からねぇよ。」
「無意識に色気を振りまくな。(←真顔)」
「振りまいてねーよ!!」
「だから無意識と言っているだろう。こっちからしてみれば、誘っているようにしか思えない。」
「自分の都合の良い様にするにも程があるぞテメェ。」


「・・・どこまで進んでるんですかね、あの二人。」
「訊いてみない事にはな・・・。」
「アラムさん訊けるんですか?」
「訊けるか。(←キッパリ)」
「ですよね・・・。」

正直気になるところだが、訊く気にならない。
というか訊けないだろう。マクシームに訊いても、たぶんヴィクトールが絶対に言わせないと思う。


「抱き締めても抵抗しないくせに。」
「お前が無駄に馬鹿力だからだ。」
「そもそもお前が細いのが悪いんだ。」
「別に悪かねーだろうがっ」



足を組んで余裕そうにしていても、内心結構ご立腹のマクシーム。
イライラしつつ、ソファーにだらしなくもたれ掛かるヴィクトール。まあ結論、かなりの冷戦状態だ。
普段から話術には長けているマクシームは、口論でもなかなか強い。
しかしヴィクトールもかなり痛い一言を投下していく。それだけ日頃マクシームの欠点を見つけているのか。
どちらかが折れる気配は、今のところない。そろそろ終われ、とアラムとボズレフも思い始めてくる。


「あーもういい!」
「勝手にしろ。」



バッ、とソファーから立ち上がり、すたすたと廊下へ繋がる扉へ向かうヴィクトール。
マクシームもマクシームで、引き止める気すらないようだ。
バタンッ、と多少乱暴な音と共にヴィクトールは出て行ってしまった。相当怒っている。


「・・・マクシームさん。」
「なんだ。」
「余計かもしれませんけど、兄貴は自分からは折れませんよ?」
「・・・。」
「昔からそうですから、自分からは謝らないですよきっと。」
「・・・。」
「謝りたくても謝れないんです。・・・行ってやってくれませんか?」
「というか今すぐ行け、マクシーム。」
「アラムまで・・・」
「お前が悪い。」
「なんで俺が・・・!」
「セクハラは、お前が悪い。(←断言」
「・・・・。」
「行って来い。」
「・・・(席を立つ)」


無言でマクシームは扉を開け、ヴィクトールの後を追った。
元の原因があまりにも幼稚だから、そういう流れになるのは極自然だろう。




「・・・これで大丈夫、ですかね?」
「たぶんな。マクシームもそれ程馬鹿じゃない。」


お疲れ様です、こんな馬鹿な二人のために・・・。
と誰かの労いの言葉。まあ誰なのかはご想像のままに。その声が果たして届いているのか。


勢いのまま出て行ってしまったヴィクトール。ああ頭がむしゃくしゃする。
つーかなんだ、俺のせい?お前が抱きついてくるのだからお前が悪いだろうが。
なんでこうなるかな、と頭を抱えたくなる。些細なこと過ぎるだろうに。大人気ない。
そんなことを悶々と考えると、余計に怒りが込み上げてくる。ダメだ、落ち着け。
・・・どうするか、暇だ。一度これを忘れよう、と思った。
何か集中できるもの・・・・と考えたら、軍舎内にある射撃場に足を運んだ。


――――ダンッ


人型のシルエットのターゲットに狙いを定め、引き金を引いた。
顔面の中心の、小さな赤いゾーンを狙って打った。大抵この的に当てれれば狙撃等の成績はかなり上位だ。
訓練所時代にはよくやったな、と思いつつ、ライフルの弾丸を詰めなおした。
少しは精神を集中させれたと思う。が、どうにも先程の口論が頭でちらついてしまう。
忘れろ、と念じながらライフルを構えて標準を合わせるが、余計に無駄なことを考えてしまう。
ああ、ダメだ。と自分に叱り付け、しっかりと狙い、撃つ。


「・・・ぁ」

よく目を凝らすと、赤いゾーンから少しずれていた。ダメだ、どう考えても集中しきれない。
もうイラつきと言うより、自分に落胆してしまう。此処に他に誰もいなくて良かった。
諦めて射撃場の出口のドアを開ける。今日はもう何をしてもダメだなと思った。



「・・・!」
「調子が悪いみたいだが?」

ドアを開けた横にマクシームがいた。お前いつからそこに立ってたんだよ、と言う言葉は飲み込む。
やはり先程と同じように余裕に満ちた顔で、クスリとこちらを見て笑う。
・・・ヤバイ、目が合わせれない。


「・・・お前のせいだ。」
「・・・・。」


背を向けて早足になる。今は顔を合わせたくないからだ。
ああ、こういう時くらい素直に謝ればいいものを、と心で呟く。
そんな内心とは裏腹に、自分の足はすたすたと廊下のほうへ逃げる。


―――――ガバッ


「っ!」


後ろから抱き締められる。動けない、と言うかなんで抱き締めてんだお前?
でも少し落ち着く。イライラしていた心が和らいでいく。嘘だろ?
身体が密着して、互いの鼓動が分かる。どちらも少し鼓動が速くなっている。
・・・何か喋らないと、と思う。でも、何を言う?やはり謝罪か?
謝ろうと口を開いたが、やっぱりやめた。もどかしくなって、自然と顔が紅潮した。クソ、動けない。
結局、先に口を開いたのはマクシームのほうだ。
考えてみれば、マクシームはヴィクトールが何か言うのを待っていたような気もする。
だが中々言わないヴィクトールに、仕方なく自分が先に、という事だろう。


「まだ怒ってるのか?」
「怒ってる。」
「・・・。」
「・・・。」



変な沈黙が続く。今日は一人として射撃場に足を運ぶものがいなくて幸いだ。
こんな格好見られたら、たぶん恥ずかしすぎて何か壊れそうだ。
温かい体温が背中に伝わってきて、もうだいぶイラつきも無くなってきた。


「・・・スイマセンでした。」
「・・・ん。」
「・・・。」
「・・・・・ゴメン。」
「うん。」

一応自分たちの中では和解という事になったのだろう。さっきまであった憤りが消えた。
まあ謝り方はそれこそ子供っぽいのではあるのだが、そこは良いのだろうとりあえず。


「あ、でも・・・」
「は?」
「セクハラはやめれません。」
「っ!じゃあお前今なんに対して謝ったんだよっ!(゜Д゜;)」
「え、・・・コーヒーのこと。」
「やっぱり許さん!離せ!!」
「はあ?謝った意味ないだろうが!」
「お前のその言い分が許せねぇーんだよ!!」



・・・という訳で、またしばらく口喧嘩が続いたそうです。飽きないんですかね。
それでも、マクシームはヴィクトールを抱き締めたままで
ヴィクトールも、マクシームを振りほどこうとはしなかったそうです。
何だかんだいって、それ位が丁度良いようです。まあ、アラムも言ったように、昔から言うでしょう?
夫婦喧嘩は犬も食わない、と。夫婦じゃないって事はこの際置いておきましょうか。
とりあえず、仲直りしたからいいでしょう。このバカップルめ。




END.




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