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2010.05.03 Monday 22:56
幸と不幸(ブルゲ×抜人)
相互記念に『心の眼』赤目影人様より頂きました。
ブル抜です。
ラブラブしてますwラブラブwwラブラブwww
続きよりどうぞ。
「目が見えたらよかったのに…」
抜人が言った言葉に、ブルゲは彼の方を向いた。
「何で、そう思う?」
「見えていれば、お前の顔が見られたんだ」
抜人は、そう言いながら空を眺めるように上を向いた。
ブルゲは、暫く考えてから、思い出したように抜人に振った。
「なぁ、抜人」
「…何だ?」
「俺達が初めて会った日、覚えてるか?」
ブルゲの問いに、抜人は当たり前だと言いたげな顔をして、すぐに返事をした。
「法玄が、幹部になりたい奴を集めた時、だろ?」
「そう。あの時お前は、心眼だったから牙城に入った。そうだろ?」
「まぁ、強(あなが)ち間違ってはいないな」
「それなら逆に、心眼じゃなかったら、どうしてた?」
ブルゲに言われ、抜人は暫く考えていた。
「恐らく、行っていないと思う」
「そう考えると、目が見えなくてよかったんじゃねぇの?」
「…どういうことだ?」
「だってよ…」
ブルゲは、そう言いながら抜人の前に移動した。
「目が見えてたら、俺と会うことなんてなかったんだぜ?」
「…、あ…」
そう言われて、抜人も漸く彼の言っている意味が分かったようだった。
「お前の目が見えていなかったから、俺に会えた。見えていたら、会うことなんてなかった。まあ、見えないってのは哀しいけどな」
「ブルゲ…」
抜人は、そう言いながらブルゲの顔の傷をなぞった。
「右目の方、よく失明しなかったな」
「ん?あぁ、不幸中の幸いでね。多少視力の低下はあったけど…」
「…よかったな…」
「…お前とは、正反対だけどな…」
そう言うと、今度はブルゲが抜人の傷をなぞった。
「詳しくは聞かないけど、失明するくらい深かったんだな」
「…あぁ。今でも忘れないさ…」
抜人は、傷に触れたままのブルゲの手に、己の手を重ねた。
「忘れないって?」
「俺から光を奪った、あの男のことは…」
「…俺は、もう忘れちまったな…」
ブルゲは、抜人に触れていた手を戻した。
抜人も手を放そうとしたが、その上にブルゲの手が重ねられたため、驚くと同時に頬が紅くなった。
「光を奪われても、お前はこうしているだろ?」
「…」
「抜人は、俺のことどう思ってる?」
「それは…、ずっと、傍にいたいと思うが…」
「俺もだ。だけど、奪われてなかったら?」
「…え?」
「こんなこと言うのも、悪いと思うけど、俺と会うこともなかったんだ。
幸と不幸は、紙一重なんだよ」
そう言って、抜人を納得させるように、軽く口付けた。
「ッ!!/////」
「だから、見えなくてもいいだろ?」
「…、そうだな…」
抜人は、そう言って自分からブルゲに寄り掛かった。
顔や姿は見えなくとも温もりは感じられる、そう思いながら…。
END.
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