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幸と不幸(ブルゲ×抜人)

 相互記念に『心の眼』赤目影人様より頂きました。

 ブル抜です。

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 続きよりどうぞ。

 


「目が見えたらよかったのに…」


抜人が言った言葉に、ブルゲは彼の方を向いた。



「何で、そう思う?」

「見えていれば、お前の顔が見られたんだ」


抜人は、そう言いながら空を眺めるように上を向いた。

ブルゲは、暫く考えてから、思い出したように抜人に振った。


「なぁ、抜人」

「…何だ?」

「俺達が初めて会った日、覚えてるか?」


ブルゲの問いに、抜人は当たり前だと言いたげな顔をして、すぐに返事をした。


「法玄が、幹部になりたい奴を集めた時、だろ?」

「そう。あの時お前は、心眼だったから牙城に入った。そうだろ?」

「まぁ、強(あなが)ち間違ってはいないな」

「それなら逆に、心眼じゃなかったら、どうしてた?」


ブルゲに言われ、抜人は暫く考えていた。


「恐らく、行っていないと思う」

「そう考えると、目が見えなくてよかったんじゃねぇの?」

「…どういうことだ?」

「だってよ…」


ブルゲは、そう言いながら抜人の前に移動した。

 


「目が見えてたら、俺と会うことなんてなかったんだぜ?」

「…、あ…」


そう言われて、抜人も漸く彼の言っている意味が分かったようだった。


「お前の目が見えていなかったから、俺に会えた。見えていたら、会うことなんてなかった。まあ、見えないってのは哀しいけどな」

「ブルゲ…」


抜人は、そう言いながらブルゲの顔の傷をなぞった。


「右目の方、よく失明しなかったな」

「ん?あぁ、不幸中の幸いでね。多少視力の低下はあったけど…」

「…よかったな…」

「…お前とは、正反対だけどな…」


そう言うと、今度はブルゲが抜人の傷をなぞった。


「詳しくは聞かないけど、失明するくらい深かったんだな」

「…あぁ。今でも忘れないさ…」


抜人は、傷に触れたままのブルゲの手に、己の手を重ねた。

 


「忘れないって?」

「俺から光を奪った、あの男のことは…」

「…俺は、もう忘れちまったな…」


ブルゲは、抜人に触れていた手を戻した。
抜人も手を放そうとしたが、その上にブルゲの手が重ねられたため、驚くと同時に頬が紅くなった。


「光を奪われても、お前はこうしているだろ?」

「…」

「抜人は、俺のことどう思ってる?」

「それは…、ずっと、傍にいたいと思うが…」

「俺もだ。だけど、奪われてなかったら?」

「…え?」

「こんなこと言うのも、悪いと思うけど、俺と会うこともなかったんだ。




幸と不幸は、紙一重なんだよ」


そう言って、抜人を納得させるように、軽く口付けた。


「ッ!!/////」

「だから、見えなくてもいいだろ?」

「…、そうだな…」


抜人は、そう言って自分からブルゲに寄り掛かった。



顔や姿は見えなくとも温もりは感じられる、そう思いながら…。




END.

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